不確かな曲線/
松本 涼
まるで不確かな曲線にもたれて
もくもくと広がる宇宙を見ていた
そこでは揺れる振子のように
人々の孤独が行ったり来たりしていた
けれどよく見るとそれは人々の孤独ではなく
僕自身がいつか呟いた言葉たちだった
そしてそれらはもう僕の手の届かない距離で揺れながら
やがて時間の触手に攫われ消えていった
その間にも宇宙はもくもくと
もくもくと広がり続けながら
次第に曲線に馴染んでいく僕を
じいっと見つめ返しているのだ
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