そんな夏休み、避暑地でひとり/奥畑 梨奈枝
当面の間素麺(そうめん)、具はなし
そんな夏休み、避暑地でひとり
茹(う)だるダルメシアンに水打ち
都市には腐るほどの人びと
高架下のラーメンとジャーゴン
将来のロープを気にかけて
現在の身体(しんたい)が破壊された病人には
口直しのマウスピースと暴力が
正しさと弾け飛んで
モーニング、茹で卵(ゆでたまご)のように
脳内に異次元、桁を飛ばしたまま
年限のないモラトリアムの中で泳ぐ
ゆえに当面の間具なしにゅうめんと半裸
それになけなしのラーメン
都市には腐るほどのベーコン
そんな夏休み、避暑地でひとり
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