ネット詩人A/
山人
彼の生活を、わたしはしらない
だけれど
きっと彼は排泄もせず
星のしずくを飲み
まれに息をするくらいな筈だ
そんな感じで
ネット詩人は生活をするでもなく
人差し指から滲み出る灰色のインクで
透明な空間に文字を描く
Aの笑みは
蜘蛛の古巣に引っかかって
老人の息のような微風に揺れている
Aの存在を確かめたいけれど
だいいち
彼が実際居るのかさえも
わからないのである
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