六月/
山人
古い教室の机の落書きのように
六月は音も無くひっそりとしている
机は時々降る雨音に聞き耳を立てて
暗い机の隅に棲む名もない蜘蛛と
会話を楽しんでいる
すでに廃校となった校舎の屋上で
昔、誰かが鳥になろうとしたらしい
議事堂の六月は意味もなく繰り広げられ
保身と紫陽花が交互に錯綜している
私たちは羽をもがれたまま
飛び立たなければならないのだろうか
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