炎天下と青空/末下りょう
─おーい夏夫くん──
青空の炎天下
青空の炎天下
青空の炎天下
夏夫くんのこぶしが水風船みたいにパチンと割れた
ポン をなくしたグーチョキパーは真夏の路上を流れていき
水飛沫を浴びたぼくらはそれぞれの体内の水分にゆらめいていた 青々と
一滴の血もなく
夏夫くんは厳格な真夏のデルタを打ち破り 湯を沸かす
涼しげに 灼熱の路上に溶けながら
─食物──
「 牡蠣とリンゴは神の食物、なるべく手を加えるな 」
食べ物はどれも神の恵み自然の恵みだろうけど、一流の美食家
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