しあわせでありました/あらい
 
「弥(いや)が上にも」と蠢く弾力と渡ってうたって、ふっくらとした真綿の断層は息を切らした、奔放に惹起し、鮮烈に粋る。消え入るようなコンパスは錯覚を刻んだ犠牲者、途を記し伝わってくる、ただ頭が足りないと数字盤の目眩いを抱き 蜃気楼を覗く、あじわいに石畳を漂うそよ風と 響く庭へ、歩行障害の水兵は万物に春霞と昏れ 静まり返る うすい彫刻とステンドガラスの構図を取る、聡明な少年と向かっては遥か 氷雨とさやぐ、てばなしの扇の儚さと護る やわらかな芽吹きであれ うまそうな獣(けだもの)としての幼さ、明かりが灯ったよう勢いをおとした。

オブシディアン(黒曜石)の未来へ/思い出そうとすると
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