歩行者天国/あらい
 
滑らかな機関銃と流暢な筆の走りに
しがらみをなくした玉響の廃人
三角に影をなくした陽気な小股が
予想通りの横顔に挑戦状を叩きつける

光芒は麻薬を含んで余命を水没させ
空襲警報は不慮の事故ではなかったのに
今年も並木道は櫻の礎を誣いて
たくさんの魂を一瞬で奪ったのです。

そんな羊の夢物語、逢魔が時の海域
無理心中にも充たされない感情論

よちよちあるきで芽を出して茶屋付く
土手のわたしのそばでひとやすみを
泡のような幸せと糠ばかりの面の断崖の
砂糖菓子を、花園の裏側から描こうとする

小指は起伏の緩いミドリとやってのけた。

湿らせてしまったの、安易なかかと、
こんもりとした翼に、凭れかかる土踏まずと
鮮やかな鼻歌は、口減らしの停留所名を
光に透けては消える風が狂おしく汽笛を呼び
そのうち振り向いてそれで目を瞠(みは)る

永遠が佇むように祈りを映し出す
するどい いななきが つのらせる 果てに

いつもどこかにいるような
いつかどこかへいくにせよ
戻る   Point(0)