無声覧カウントダウン/あらい
 
継ぎ足された寿命 流れ去る秋の空
私の代わりに種明かしを

『一年後 叫ぶ 千羽ノ鶴』
そんな知育玩具の傷跡、そんなケチな細胞膜
二つ返事の読み物、成立しない御神灯、
『力は入らないよ。』

丸洗いされた通学路は知られていない
草深く青黒く見る影もない 

雨曝しの、遥か彼方
仕損じた桃源郷の白雉と

――晴れぬ
恥知らずの微粒子
<i>の感想

ずぶ濡れの床が軋む 
毅然としたむらさきの胎生
雲行きを踏み破る天星、
気後れした演技のシンボルカラー

ずり上がる両足、
後天的ワガママは顔ぶればかりの、
(ラヴァー。)
水増しの性善説に歩みほどよく合わせる
成り行き任せのそよ風に立ち回る

たまごボーロみっつ 屹度

塩ゆでされた朱線、箱入り娘の宿銭
般若のような唄、水っぽい女の詩《うた》
揺さぶりをかけ締めつける ゆびさきに。

クサビガタの彼岸花

半濁音のイサリビを憎たらしいほど心を込めて
、折る。まばら ますます 瞬く魔に、好んで
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