集団脳よ集団脳よ/秋葉竹
いくらひとりが好きだって
強がってみても
人間だから
集団脳の恩恵を受けている
みんなのおかげで今がある
なんど他人と暮らすことに失敗し
だからひとりなんですと
言い訳してみても
服を脱げば真っ裸の
人間だもの
集団脳のおかげで
便利な暮らしができているのだ
窓を開けて青空を眺めて
その上にある漆黒の夜空を想う
言葉による伝達は不備があり
文字による伝達は手間がかかる
ネットにより伝達は
銀色に輝くイカロスの翼を持った
てのひらのうえで
世界をみることができる
死も生も
なんなら知も性も
そんなことならわかったよ
人として
大切なこともね
わかっているんだよ
そしてそれでもあいも変わらない僕は
綺麗な生活を望んで
たったひとりで生きているつもりの
爛れた夢に耽ってしまうのだ
克服できないままなのだ
灯りのない暗闇が
無数の化け物が棲む夜が
理解を超えて怖いままなのだ
集団脳よ
助けておくれ
戻る 編 削 Point(1)