ほむらのこと/あらい
黒っぽい磯、赤裸々な暗礁、あらぬ余殃
風穴
罪のない心が弐度死ぬ
重みを咥える胸腔に大ぶりの菊が咲く
濁声に記載される荷車に両手を戻し吹きかける
少しの綿毛及び花火が散る
明瞭とするならば囀り
余喘至る前の耳漏とする
娘の夫は泥沼の池にある鵲によく似ている。
窶れた弧線を涅槃に移し、罪木使いのものを見守る
仮死を巻き付かせその内側なる質は酷似しており
人頭大の石
見違えただけの裏を取る青銅の筋を立つ
軽々しい雪明かりの慈悲を施す、差し向かい引き潮の
生温い唐草の古巣、西風の果てまで、
とろんと歩き回る。しばしば。用が済んだあと
はぐらかした払暁に昨日の事のように物申す
一つ置き、冷ややかな眼で詳らかに否が照りつける
天井は濃霧、廊下を駆ける気配が吹き溜まりを抜け
代わり、冴え渡る
風のように去っていく運命と鳴き砂の浜に後ろ髪を引かれ
戻る 編 削 Point(0)