そしてまた、うた歌いの夜は、更けゆく/
秋葉竹
そんなに悲しい孤独があるのか、と
あたしは
彼女の声を
勇気を振り絞って聴く
もう、いいのだ
あたしのこころが黒い消し炭になるまで
いっぺん残らず焼き尽くしてくれればいい
そして彼女こそ、
たいせつなうたを歌う理由を
その胸に刻み、残し、守って、
ほしい
彼女という
うた歌いの夜はいまよりも
寒く
いまよりも
妖しく
さらに、さらに、更けてゆくのだろうから
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