滑り落ちていったものだけ/竜門勇気
足らないもんだった
だけ
脆い関係だけ
作ることができた
細く頼りない糸しかもってなかった
だけだけど
ごっこあそびをしてる
ぼくはたのしい
みんなおとなになって
とてもさみしい
ひみつのばしょはとられた
みえてたいろはもうちがう
あの脆い糸が破れて
滑り落ちていったものだけ
集まった場所が
俺の中にある
青春と呼ばれてた時代
大きく投げられたボール
天に向かって吸い込まれていくように見えたとき
近づいてくる地面が呼んでるように見えたとき
正直なんにも変わらない
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