罪を洗う風/秋葉竹
 
         
ただ、いま帰る家には
ひとりが好きですと強がる
さくら色の姫さまの悲恋を慰める
横笛のねが奏でられておりますが

からだ汚れて帰る家には
やくそくなどない
ただのやさしいだけの風が
自由気ままに
吹きつづけているのでしょう

ようやく、わかりましたか?

花が、一輪。

その風に
吹かれて
ゆれる
ことになるでしょう
その風であることの
あるいは
その風になることの
罪深さが

ようやく、わかりましたか?
        
           







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