罪を洗う風/秋葉竹
 


からだ汚れて帰る家には
やくそくなどなく
ひとの影もない



花が一輪、咲いています

ひとの影が肉なのだと
あるいは水分なのだと
あるいは血、なのだと

絶えることなく
ながれるこころを洗う
吹きさらしの風が
その恥ずかしい血を
流させ
その真っ赤な本心を
さらけ出すのだと
     
白猫が
そっと
その血とこころを舐める

色つきの夢をみたのです
      
こころの内側に
むかしばなしで鬼にさらわれた
さくら色のお姫さまの
居場所があるのです
   
浅い夢に溺れるのは
そういうわけで、です
         
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