点景あるいはかくれて泣くうた/秋葉竹
 



渋滞の車の窓から顔を出す子犬の野生がこぼれる唸りよ



朝焼けの赤い空気に立つ不死の人工建造物の寒さよ



好きというただ言の葉が突っ立って電気も消さずにながれる沈黙



好きというただ言の葉が揺れている電気を消して融けあう白蛇



薄青い裸の君は海のよう小さな喘ぎは潮騒のよう




音もないキッチンに夜座ってる君をみたときかくれて泣いた













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