毒 という/soft_machine
 
深呼吸して目眩につつまれ
手近な柵にしがみつく
両肺を染む芳しい毒素
むらさき色に染めあげた
絶え間ない恍惚にいざなう、十年ぶりの/帰郷、敗散/執着、
慨嘆/それら懐しいひとときの必要にせまられ/掌にするまで
の一瞬は/意外にもかろやかな気分であり/視界が回復するに
つれ/くちびるに貼りつく紙巻の/なめらかな棘におかされた
/肉襞にしのびこむ薄笑/はじまりの手続は/言わずと知れた
好奇心/御使の体で始めたセブンスター/ウヰスキーにバニラ
エッセンスを練り込み/希望の蝋を溶かし/絶望にあかりが灯
る/肉体の苦痛に、違う外からの苦痛が/もたらすその場限り
の快楽/などではないた
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