へびつかい座流星群/秋葉竹
なキスをプレゼントしたでしょう?
(嘘。言ってみただけ。私のは全然拙いものです。)
寂しさを上塗りするかのように、
私の心は涙色になっていく。
『空を自由に泳ぐ燕はまだですか?』
その時が来たら、私はきっと
あなたの前から消えるだろう。
その時になって、寂しいとか言ったって
知らないよ?
私の心を弄んだバツさ。
『遠くで聞こえる幸せそうな鐘の音は、
愛する2人の結婚のお祝いの鐘?』
私とあなたにそんなものが訪れないことが、
当たり前すぎて泣きたくもならないよ。
今夜流れる流星の群れが、
私の心に『愛』のプライドに与えてくれるのか?
野原に寝転がって観る星空は綺麗で、
横にいるあなたのキスはとても優しくて、
私はもうこんな愛に酔ってしまっている
幸せなひとときを
この人生で2度と味わえるわけがないと
知っている。
ええ、なぜだか知っているのだ。
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