パイロット・プラント/AB(なかほど)
ヒバリの声
天気の良い休日
芝生に寝転がると
無造作に配置された
数基のパイロット・プラントに吹く潮風は
いつも違う声を響かせた
石炭液化システムは
あの頃の技術研究の星で
無駄を究極に省いた姿は美しい
おそらく日本中のあちらこちらの化学工業の研究所に
同じ光景が広がっていたのかもしれない
またひとつの山がなくなりました。
ススだらけの作業制服を着続けるのを諦めたことに
理由はない
部長が本社に
行って
帰って
そして
パイロット・ランプをOFFにしただけで
それから
僕らのパイロット・プラントを吹き抜
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