しあわせ/坂本瞳子
 
風が孕む雨の香り
泣き出しそうなそれが充満して
それでも太陽が顔を出す
光に溢れても
雨を含んだ風は舞う
どこを目指すでもなく
ただ流れているようで
ときに強く
ときに弱く
誰かの髪を撫でたり
誰かの涙を拭ったりして
あなたの脇の下をくぐり抜けたり
彼女と向き合ってダンスをしたり
彼の影を誘惑したり
そんなことまでしているかもしれない
こんな夢を見た
日曜の朝
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