きのうのソネット2/
佐々宝砂
死にやがれクソと
涙ながらに言いたいが
そも生きているのか知らない。
生きていたら殺したい。
くらい好きだった。
春が来ると
桜の下に死体があるのは当然で
一緒に屍の汁を啜った。
そんな仲だったと
私は思っていた。
私だけ。
春は今年もくる。
サヨナラも
言わなかった。
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