夜明け前を歩く/山人
 
 
 十二月から三月いっぱいは無人駅の除雪作業員として、ごく早朝の勤務があり、あまり深い睡眠を得ることができなかったが、四月に入りそれがなくなり、割とよく眠れているのではないかと思う。
 家業、山林仕事、無人駅除雪勤務、この三つの職種が一年のサイクルとなった。かなしいかな家業は今では片手間となりつつある。体力の低下とともに、これらのバランスを再考しなければならないということも考えなくてはならない、などとふと考えることが多くなってきている。なにか、ふと、結論を急ぐわけではないが、思考散歩するタイミングとして、ぶらりと表を歩くことがある。

 夜明け前が好きである。夜があけてしまうとすべての正
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