歌わなければ良かったのに/秋葉竹
 


声が、
汚くて、
歌うことを諦めたのに、
こどものころに。

今になって、
歌、歌いたく、なってしまうなんて。


水面に、
やすっぽい宝石が浮いている、
ので、
やすっぽい心を委ねてしまいたくなった
バカ、ひとり。

胸の小さかったころの私
夜だけが優しくて
朝の光はいつだって
心を刺し、心を正しくしようとする意志で
グリーンのカーテンをすり抜けた、

ひれ伏し、
謝らなければ、
ならないのか
足を止めて歩いて来た道をふりかえる。
優しさや、
暖かさなんか、
笑い飛ばす罪を胸に封じ込めて、いても。

ただそれだけを、
伝えたくて
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