rainy/あすくれかおす
 
room

おばけのいない部屋で
ただ古くなっていく手紙
埃が不在をあらわしてはいるが
ひょっとしたらそれは
私から君が
朽ちて無くなるまでのオールド・スリープ


letter

ペンが文字をなくして
ただよう海で見つけた
希少価値のない瓶

白紙をつめて浮かべる
音だけが思い出を語っている


so far


五感で生きてるはずなのに
幽体離脱が日課だという
君とつながるのは簡単で
line/message/未読→既読
それを宇宙から眺めている
当然
何もかもが青い



single

蛇口がうまく閉められない
ひとつ、ひとつ、と繰り返す音が
バスタブで終わりを待つ

ただ忘れようとして閉じたのに
ひとすじの涙で
すべての匂いがかえってくる
きっといつでも








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