ユース/末下りょう
レージにつながれた犬が吠える
素っ気なく閉めきられるカーテンレールの火花
通れるか通れないか通らなきゃわからないルートに押し込んだ身体
削れるアウトソールとハードウィールの低音火傷
フラットから速やかに連帯して鈍色のインセプションに霧散するパピヨンは夢際に誘われて群舞した
鳩だらけのガード下で交わした握手
気が狂うくらいきみと話したくてたまらなかった毎日
ほんとうのきみに会いたかった毎日
靴紐を結びなおしてダウンヒルから滑りこみトレインを追いかけた景色
スウィッチスタンス
すべてをまちがえていたかもしれないぼくの膝を温めたアスファルト
ひとひらの雲もない晴天にきみを乗せて遠ざかる車両
ハロー ユース
グッバイ
ルース
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