抱き合えるだけで良かった/viraj
ついに君には会えなかったよ。
君は、暇つぶしだったのかもしれないけど、
いい夢見せてくれたね。
僕は、君と抱き合えるだけで良かったよ。
気付いたら、僕は一人だった。
全てが蜃気楼のように霞んで見えた。
今は、君のことを思う一刻一刻が苦しいよ。
僕の心の水面に様々な感情の影が映った。
怒り、焦燥、悲しみ、喜悦・・・。
僕の心は一つしかないのに、その一つの心の中を同時に様々の感情が去来して、
複雑極まりないラビリンスのようだ。
僕は、君と抱きしめ合うだけで良かったんだよ。
二人はこんなに遠かったんだね。
あの時はあんなに近く感じたのに。
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