一人の女の形をした愛/viraj
ところでどんな声が神に届くかしってるかい。
どんな人が天国に入れるか。
きみは本当に一生懸命あの時、生きてたね。
あのとき、君は言ったね。
一生懸命生きてる人って少ないって。
今ふと気づいた。
そういった 君は本当に生きようとしてたんだなって。
君は言った。
「恋愛ってこんなにつらいんだね。生きるってこんなにつらいんだね。」と。
私の脳裏に君の言葉が木霊した。
「Tさんは、愛してるっていってくれたもん。」
今は娼婦に倫落し、無数の精液を浴びた君も、またありふれた雌に過ぎなかったのかもしれない。
僕たちは、限りなく真実の愛に近づこうとして、完全に愛にはなれず、すれ違った
不幸な双子の魂。
あたかも、激流が二つの流れに裂かれるように、
自我という障害物に邪魔されて。
ここまで書いて、僕はふと思い出した。
覚者が、神は人の心に宿ることを始めて悟った時、歓喜が止まらなかったことを。
天国は、人の心の中にあるんだね。
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