燭 焚きつけて罅ぜる/あらい
る、許容があるでしょう
犯意と強欲、(はじきだされたカウントダウンを)
壁蝨《ダニ》の湧く人生でしょう、最期はみんな
かえりたいだろうに、きえてしまいたいのに
陶器の掌に抱かれて、大事にしまわれてしまっては、
大きな墓標に真実と蔽って、継いだ未来を臨みましょうか
「あいたいな」ふいに何かを 過ヨギらせる
一抹のさみしさとやらは 多分、誰にも癒せない
「かえりたい」自らで抱き留めても、零れてしまうよな、
薄くて苦い、いたみだけを胸に遺してしまう
術て無しにして終わりたいのに。叶わないことはもうはじめから悟っていて
自分だけの人生のくせに、死んでも死にきれない思い出に充たされるなら
おのれ焚きつけてくだらないほどに罅ぜてやるから
己の手の内で囲う、その燭台に照らされるうちは
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