風吹く街の赤い月を/秋葉竹
喧騒の
夜の街に溺れる私の
すがりたい真っ白な想いがある
けれど息つぎが下手くそで
凍った心を守ることさえできない
むかし大好きなものを棄てて
冷たい目を手に入れたこともある
そうね、
その目で
赤い月を見上げたのは
心を凍らせるのに都合のいい月だったから
どうしてだろう?
陽気な音楽が流れてくる
優しい空間で私のうしろにいる小さな
少女のホムラ
ひとりじぶんの中を覗きこんでいる
でもね、
そんなバカな悲しみって
ないよね?
私がみたのは
『どうせ生きることはひとり』が
たったひとりで
しなやかに踊りながらもらした
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