読書における娯楽性と読破という苦痛について/山人
 
による生活など。現代においても、携帯のない時代背景や新幹線高速がまだ完全普及していなかった時代など、さまざまな時代背景を疑似的に体感できるのである。
 つまらない小説に触れることもまた別の楽しさもある。いわゆるツッコミどころである。「ありえんだろう、実際!」というものから、森村ワールド(森村は好きではあるが…)に見られる、まったく別の人々がそれぞれに物語を展開し、それが平行移動し最後にすべてが交わるというスタイル。あるいは、何人殺せば気が済むんだろう、的なスタンス。あと、いちいち小説内での人々が長ーーい会話を延々と続けるという場面。つまるところ、信憑性があまり感じられないのは少し興ざめしてしまう
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