森/山人
 
の手が入ったところだ
藪を行くと千島笹の群落があり、根から斜めに突き出た筍が生えている
小沢を通り、少し登ると小瑠璃の陽気な囀りが聞こえてくる
多くの野鳥は、森で棲み分けを行い
ひらけた光り溢れる地に居るのが小瑠璃だ
小瑠璃に導かれ、改良された山毛欅林に出る
ふと見ると稚児百合の群落があたりを覆い尽くしている
きっと道筋は近い
やがて近くに鉈目を見ることになる
しかし、それは忽然と消えた
たしかに人の存在があり、人の呼吸があったはず
やがて、あたりは再び霧が覆われ
縦横無尽に立ちふさがる蔓群落と灌木が一層激しく立ちふさがり
暗喩の森は深く難解さを増していった
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