春の夕暮前に/こしごえ
 
悲しい 涙が人知れずぽろりとこぼれた

空ろな
空ろな空気で満ちている
胸を
さぐる
さぐると
悲しみはどこか
どこかと
つながっている
私は
どの道
どこかへ行くのであります
行くのでありますが
それがどこなのか
どこかのどこかの
どこかなのでありました。
いのちは原初から一部分だけ欠けている。
いのちが原初から一部分だけ欠けている
私はどこへ行くのか分からない。そして
いのちが原初から一部分だけ欠けている
私は何かを求めるのでしょう
求めるうちに自分が一体何を
求めているのかますます分からなくなり
悲しくなるのでしょう
私は
光と共に
ほほ笑む
悲しみが愛に帰った
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