泣かないで/
待針夢子
朝焼けはスミレの匂い
だからそんなに
諦めを憎まなくていい
焦煙の隙間から蓮の花こぼれるような、
シャム猫のヒゲに黒真珠実るような、
嘘みたいな軌跡も君とならみれるよ
君が何を棄てたって
5月のブランコはきっと待っててくれる
砂丘にまだらの虹浮かぶような
鯨の骨に煙草で名前彫るような
嘘みたいな軌跡を 君とならみれる
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