東風/
末下りょう
消えた街に手紙をだす仕草で
小皿を並べていく
円卓の回転に置き去りにされた会話と 胃袋の浮遊感を抱えたまま
他人とハニーとからだを重ねる
つめたい踊り
サイズ感のない冬着を着替えて 電車を乗り換えると東風
線路から吹きつける
生暖かい夜の息が 赤らんだ顔一面に被されば
思わせ振りなくだらないハッタリに秘密はなくなり
猫たちが何処かに行って死ぬように僕たちは此処に来て安らかに眠る
老いやすい少年少女の
路面のカップラーメンが なると東風
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