自由律俳句 2022.02.23(水)/田中恭平
 
こたつ周辺に本たちをかわうその祭り

太陽に育まれて春風感じている

けさは正しくあろうとうする、乱れてゆく

胸中がらんどうの何か欲している

山又山の雲が流れて

雲のように自由に、眺めている

風となって、通帳記帳にゆく

さいきん修錬をあきらめ念仏に徹する

窓からあたたかさの、ページめくっている

食べてやっと落ちつけて格別なお茶

煙草を喫って雲となって、は夢

少し眠ってへやがぼうっとしている

春に感じる歩くことの精神史

午後三時うっすら甘みを含んだ風ふく

あかぎれを見せる妻にありがとう

淋しくもなく生かされている、ありがとう

読書しようか手紙書こうか手の自由

風のふるさとに行きたいひとり

神々も春よ光りの階段


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