祝辞/服部 剛
 
スマホの小さな画面を
指で開く 
今日もSNSの文字は、告げる
「〇〇さんの誕生日です」

まぶたを閉じる
――今・世界の何処かで
東京都内の病院からは、赤子の産声が聴こえ
カルカッタの路上で病の人が、息を引き取る 

年を重ねるほど誕生日の重みは変わってゆく 
今日もスマホから告げる、誰かの誕生日が 
軽くなってしまわぬように、そっと呟く 

久しく会っていない
〇〇さんに
ささやかな?おめでとう?を







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