それはとても不確かな/
坂本瞳子
空が青い
空気は冷たいけれど
雲が見当たらない
軒下に張り巡らされた蜘蛛の巣が廃れて
時間の経過どころか
時代さえ感じる
思い知らされる
ときは過ぎゆくことを
風が吹いても
景色は変わらない
ここに居ることは
事実でしかない
どこかへ逃げたいのか
新しさを求めて
陽の光をこうして浴びていたい
それだけのことかもしれない
戻る
編
削
Point
(3)