それはとても不確かな/坂本瞳子
 
空が青い
空気は冷たいけれど
雲が見当たらない
軒下に張り巡らされた蜘蛛の巣が廃れて
時間の経過どころか
時代さえ感じる

思い知らされる
ときは過ぎゆくことを
風が吹いても
景色は変わらない

ここに居ることは
事実でしかない
どこかへ逃げたいのか
新しさを求めて
陽の光をこうして浴びていたい
それだけのことかもしれない

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