詩の日めくり 二〇一九年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
あった。気持ちよかった。なぜ4、5回くらいで終わったのかと言えば、恥ずかしい話で、さいごのときに、あまりに気持ちよかったので、ぼくが声を出してしまって、まわりに変な目で見られたからである。それ以来、その子は電車のなかで会っても、ぼくのことを無視するようになったのであった。残念。


二〇一九年六月六日 「爪を切る」


 爪を切るのも面倒だが、いったいいつくらいから爪を切るようになったかというと、いまネットで調べたら、弥生時代からだそうだ。道具がつくられていたそうだ。それまでは、切られていなかったらしい。野生動物が爪を摩耗させていたように、人間も爪を摩耗させていたようだ。道具を使うよう
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