本/ミナト 螢
 
人にぶつからないように
生きても
まだ残ってる

四隅の角で
言葉を交わして
生まれた物語

優しさで晴れた空と
苦しさで切れた糸が
僕等の首を絞めた

この本の重さは
一緒に泣いた日の
月と同じくらい
傾いて

ボロボロなのに
真っ直ぐ立っている
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