越冬/末下りょう
無数の鳥が羽を散らし 冬の花に熔けてゆく
羽音だけを残して
浅瀬に見え隠れする魚は鱗に触れる水を文字のように火で濡らす
揺れる水の傍らで
魚の影は濁り
流されてゆく
(きらめく
花弁と遺言)
アイスバーン────────────── ─
ろうの こうろ
そうく
火と人 ´
歯で唇を踏み
あなたを追ってゆく声は水の径を通るほかなく
sea see s
冬の
海の波は
凍死した文字
雪と雨の狭間から生まれくる風向きにあらがい
火のように鳥が咲く
越冬
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