とりあえずかな/坂本瞳子
分不相応とは思えども
スキなものはスキだから
どうしようもない
年齢とか都合とか時間とか
場にそぐわないこともあるけれど
着たいお洋服を身に着けたいし
食べたいものを食したい
言いたいことは言わなくちゃいけないし
黙ったままでいなくちゃいけないこともあるけれど
泣きたいときには笑えないし
どんな気持ちを抱えていようと
ご飯を食べなくちゃいけないときだってある
どうしようもなく
どうしようもできない
時も気持ちも
抱えたままで
なにもできなくっても
立ち止まっても
進んでいくから
考えるのは
あとでいいのかも
しれない
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