遠い身体/
asagohan
風呂に沈んだ
身体が遺跡に見えた。
柱のように突き出た腕。
その虚像は
透明になって
水底を示す。
膝小僧の下に沈む
屈折した太もも。
揺らめき
遠くて
藻が生えるくらいには
時間がばかりが過ぎているようだ。
シャワーが頭から降り注ぎ
浮力は遺跡を反転させる。
丸くなった背中が
はじまりの温かい水の中を覚えている。
人は遺跡。
愛が創って
愛が去った
遺跡。
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