冬の、金魚たち………/秋葉竹
ほんとうは、
雪なんて、
みないのです。
清らかに美しい高い塔は
黙っている言葉のなかにあります。
死、は、静かな影絵
少年の高さの目線に
綺麗に並べられています。
悲しみを食い破ろうとする金魚のふりをする
悲しみもなくただ泣いているだけの僕の片眼
すべての幸せは
奪い去られるために
産まれているのです。
ねぇ?神さま?
人はひとりで、生きては、ダメです!
まだ、生きてゆきたいのかどうか、
ひとまず、強く無視してしまう、というのが、
正しい選択だ、と思うと言っても、良いですか?
ねぇ?君たち?
冬の、朝の、空に、消えゆく………
雪の、金魚たち………?
戻る 編 削 Point(0)