存在困難/坂本瞳子
 
心が塞がれた
そんな風に感じたあの日は
もう遠い昔
だけれどとても寂しかった
孤独というのはこうゆうことかと
味わった
温もりを感じることができず
誰をも信じることを忘れ
笑顔をなくした
そう
あれはあの日だった
思い出したくもない
もう遠い昔
だけれどとても悲しかった
いまでも涙がこぼれてしまう
そんなに辛かったのかと
いまもこんなに苦しいのかと
解き放つことができない
閉塞感を抱えたまま
癒やされることのない
空間と時間の最中に
いまもまだあって
抜け出すことなど
考えるまでもなく
溺れて萎れて項垂れて
それでもまだ存在している
まだここにいる
あの日は
もう遠い昔
そう思っていたかった
いつもいつの日もいつだって
もう遠い昔
そう言い聞かせてきたのに
まだ塞がれたままでいる
息はできているけれど
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