冬の朝の/秋葉竹
雪をみることさえ
久しぶりで
でもほんとうに美しい世界は
無駄で汚れた人のいとなみのなかに
あると僕は知っている
そこには
夕べ食べたラーメン屋さんの
朝のゴミが出されているし
まん丸い目をしたカラスの
忌み嫌われる理由も転がる
けれどただ人類と同等の知性ゆえに
死、がおぞましいのか
土に戻ることがおぞましいのか
生まれ変わることがおぞましいのか
そこには皮肉ではなく
真っ直ぐな知性で問いかける
カラスの鳴き声が聴こえる
あたまを破ろうとする
意図もなくただ泣いているだけなのに
すべての幸せを奪い去る
ちょっとした攻撃性が隠れてい
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