眠れぬ夜に/坂本瞳子
 
眠いのならば
眠ってしまえばいい
ただそれだけのことだ

だのに横たわることに
不安を覚える
寝転がって
仰向けになって
落ち着かない

寝返りをうって
首の辺りを掻いてみて
ため息をついてみたり

背中を反らせてみたりもする
足がつってしまえばいいのにと
願ってみたりもするけれど

要は眠りたくないのだ
怖い夢とか見たくないし
早く朝がくればいい
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