手のひらなんて/坂本瞳子
 
荒れた手を潤したいのだけれど
決して満たされることはなくて
ガサガサのままでいるのが
すごく不快で恥ずかしくて
けれどどうしようもなくて
ポケットに突っ込んだまま
いつまで隠し通せるのかと
不安になったりもする
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