走り続ける/坂本瞳子
 
果てしがないように思われる
このトンネルを抜けることができるのだろうか
どこまでも続く暗闇が尽きるところがあるのだろうか
仄暗い誘導灯が足元を照らすけれど
明るい陽の光は差し込んでさえこない
そんな中をただ走り続ける
なぜ裸足でいるなのかなんて
どうして走っているのかなんて
そんなことはもうどうでもいいのだけれど
ただひたすらに走り続けなければならなくて
光が欲しいんだったろうか
向かい風の冷たさが心地よくて
息をするのは苦しいけれど切れてはなくて
心臓は一定の速度で鼓動しているのが分かる
血管を流れる液体が感じられるくらい
この温かみで恐怖感が拭われる
だからいいんだこのままで
まだまだずっと走っていたい

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