ダンデライオン/蝶番 灯
 

まぶしいくらいの陽光が

ジリジリとアスファルトを焼く

左肩にのしかかるリュックサックの重みは

4月にしては暑すぎる街に似ていた




コンクリートの中で咲く 黄色の花が僕を見上げた

割れた舗装の間

黄ばんだ茎と葉が僕の目を刺したが

僕は気にも留めず

「珍しいな」 それだけ思いまた歩き出した




そのまま夜は明けた




コンクリートの中で咲く 黄色の花がうつむいていた

立派なたてがみは垂れ下がっていた

乾いた茎と葉が僕の目を刺したが

僕は何も無かったかのように

「元気が無いな」 それだけ思い
[次のページ]
戻る   Point(2)