泥/あらい
 

 躍らされた獣が唸るように、仕向けられた猫なで声は
 中心から外れた幸福が首を落として
 ドグマに陥る
 埋め合わせた体を、引き寄せて差し出す蝴蝶に従い
 なにかを妊み出す、人婦は妖精を 妖星は夭逝を
 ただひたすら虚空に置き 祈る
 陰と陽、息とし活けるものをかなぐり捨て
 それで死出の旅と用足されるが
 反目し合うノイズは
 夥しい汚辱を宿したまま
 彩雲を残すように現実から飛翔する
 生臭く不明瞭の朧月夜に、千鳥足で
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