一月を一人/末下りょう
 


細く
細かい
光線を
縫い通すような
風が
白日の
一月の
男を
一人
死なそうとしていた


カクシンは
カクシンに
届かないことに うろ たえ


永遠と一瞬の
共食いを
連写する
光を
吐き

暗黒を
けずる


ヒトはなにを
恐れれば
ヒト リ なのだろう


消しゴムのような
死を
なくして


ただ 明白な 足跡が

目前の
闇に

凪ぎ


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